2024年はシェーンベルク生誕150周年を一緒にお祝いしましょう!後期ロマン派かつ表現派の「浄められた夜」から、無調のピアノ作品である作品11や作品 19、そして厳格な十二音技法の組曲 作品 25やヴァイオリンとピアノのための「幻想曲」に至るまで、多彩な室内楽作品をお届けできることを嬉しく思います。 広範囲で、さらに拡大を続ける「ヘンレブルー」のシェーンベルク・コレクションは、新ウィーン楽派の作品を知り、研究するのに理想的な土台です。
2022年以降、アルノルト・シェーンベルクの作品はほとんどの国でパブリックドメインになりました。これは音楽出版社の私たちにとって、大きな節目でした。というのも、この影響力ある作曲家をついにヘンレ原典版のカタログに収録できたのですから。
ヘンレ版はウィーンのアルノルト・シェーンベルク・センターとの共同研究のもと校訂されています。 シェーンベルク・センターのサポートのおかげで、利用可能な原典資料をすべて精査し、ヘンレ社の高い品質基準に従ってシェーンベルクの作品を校訂することができます。国際的に認められたシェーンベルクの専門家が音楽テキストを注意深くチェックし、校訂しました。シェーンベルクの音楽に長年深くかかわってきた著名音楽家も加わることで、 ヘンレ原典版は学術的かつ実践的です。
原典版
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シェーンベルクのピアノ協奏曲 Op. 42は1942年、カリフォルニアの太平洋岸で亡命中に生まれました。スケッチは1942年6月の日付に始まり、同年の12月にはすでにパーティセル(スコアの前段階となる設計図)の清書を終えていました。そこにはピアノパートの他、管弦楽パートがわずかな譜表に凝縮され、縮小された形式で収録されています。しかしすでに楽器編成に関するすべての情報が含まれ、ダイナミクスやフレーズに関して完璧な指示がなされています。
実に読みやすいこの自筆譜の清書は、この作品の伝承の記録として最も重要な文書です。ファクシミリ版としての出版は今回が初めてです。 ウィーンのアルノルト・シェーンベルク・センター との共同制作によって生まれました。
シェーンベルクの2人の専門家テレーゼ・ムクセネーダーとカタリーナ・ブライアー は学術的な序文の中で、この作品の歴史や形式の構想を紹介し、同時にこの自筆譜の特殊性について解説しています。さらにヴェレーナ・グラーフは別の章で、このファクシミリ版のために自筆譜が複製される直前に、いかに丹念に修復されたかを解説しています。
高品質な4色刷り、目にも鮮やかな青色に包まれ、上質なクロス装丁によって製本されたこの版で、シェーンベルクの記譜法や作曲についての思考を興味深く洞察できます。G. ヘンレ社とアルノルト・シェーンベルク・センターによる、2024年のシェーンベルク生誕150周年にふさわしい貢献です。
写真: © アルノルト・シェーンベルク・センター
舞台裏:Memminger MedienCentrumでのシェーンベルクファクシミリ版の制作
シェーンベルクのファクシミリ版の内容ページは、いわゆる校正刷りをMemminger MedienCentrumで行いました。テレーゼ・ムクセネーダーとカタリーナ・ブライアーはシェーンベルクのピアノ協奏曲の手稿譜をアルノルト・シェーンベルク・センターで印刷しました。そうすることで、印刷機から出力された最初の1枚を、コントラストや色合い、発色などの点でオリジナルと直接比較することが可能でした。その後、印刷データの一部がデジタル補正され、そこから再び印刷版が作られました。このようにして、オリジナルになるべく近いファクシミリ版が完成しました。
写真© Memminger MedienCentrum